王国ファンタジア【氷炎の民】ドラゴン討伐編
 曇天のもと、何とはなく三人と一頭で歩き出す。
 今日はドラゴン討伐の編成が決まる日である。当然行く先は同じだった。

「でも180才って、僕、てっきり若いお姉さんだとばっかり。声、綺麗ですし」

 どうやら、レジィはクラウンを老人だと思ったようだった。
 当然、クラウンが突っ込む。

「なんや誤解しとらんか」
「誤解?」
「レジィ、若いお姉さんには変わりがないぞ。年を取ってるだけで」

 訝しげなレジィをサレンスがさらに混乱させることを言う。

「はあ?」
「あんさんもまた誤解を呼ぶ発言をするんやない。わしら雷電の民は長生きな分、年を取るのが遅いんや。ふつうの人間の年で言ったら18才くらいやな」
「そうなんですか」

 直截すぎる問いにサレンスが釘を刺す。

「レジィ、あまり女性の年齢を詮索するのは無粋だぞ。それにこのお嬢さんの驚くべきところは実はそこじゃないんだ」
「じゃ、どこなんです」

 主従の視線がそろってクラウンに向く。特に少年のやわらかな青い瞳は、興味津々と言うようにきらきらと輝いている。
 彼女は深々とため息をついた。

「しゃーないなあ」

 フードから現れた姿に少年が息を飲む。
 視線がクラウンの額に固定される。
 それは彼女にとっては慣れた反応でもある。
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