王国ファンタジア【氷炎の民】ドラゴン討伐編
「だから、言ったじゃない。サレンスさんは大人な素敵な人だって」
「わかった、わかったから、だから殴るなっ!」
と、いつものようにじゃれあうアウルとサハナ。
その二人を横目にベリルがサレンスに話しかける。
「余計なことをしたかね?」
「いや、正直助かった」
「どうだかな。ところで昨日は随分酷い雷だったな」
ぎくりとクラウンが身を竦める。
「わしはな~んも知らんよ~」
「なにも君のせいだとは言っていないがね。しかし、二人して随分、消耗していたようだ。疑いたくもなる」
「誘導尋問、反対や」
黄金の瞳がベリルを睨む。
それに小さな笑いをもらし、金髪の青年は言う。
「炎と雷、一体何をするつもりなのか知らんが、あまり無茶をするな。あの子も悲しむだろう」
翠玉の眼差しが、いまだ眠っている氷炎の民の少年に流れる。
「言われるまでもないよ」
「なら、いいが。それでは私はそろそろ行く。頑張りたまえ」
「ああ、ベリルもな」
片手を軽く上げ、背を向ける青年に元気な声がかかる。
「ありがとうございます」
アウルである。
上げた片手をひらひらと軽く振って流浪の民ベリルは立ち去って行った。
「どこまで知っとるんや。なんや緊張させるお人やなあ」
というのが、クラウンの率直な感想であった。
「わかった、わかったから、だから殴るなっ!」
と、いつものようにじゃれあうアウルとサハナ。
その二人を横目にベリルがサレンスに話しかける。
「余計なことをしたかね?」
「いや、正直助かった」
「どうだかな。ところで昨日は随分酷い雷だったな」
ぎくりとクラウンが身を竦める。
「わしはな~んも知らんよ~」
「なにも君のせいだとは言っていないがね。しかし、二人して随分、消耗していたようだ。疑いたくもなる」
「誘導尋問、反対や」
黄金の瞳がベリルを睨む。
それに小さな笑いをもらし、金髪の青年は言う。
「炎と雷、一体何をするつもりなのか知らんが、あまり無茶をするな。あの子も悲しむだろう」
翠玉の眼差しが、いまだ眠っている氷炎の民の少年に流れる。
「言われるまでもないよ」
「なら、いいが。それでは私はそろそろ行く。頑張りたまえ」
「ああ、ベリルもな」
片手を軽く上げ、背を向ける青年に元気な声がかかる。
「ありがとうございます」
アウルである。
上げた片手をひらひらと軽く振って流浪の民ベリルは立ち去って行った。
「どこまで知っとるんや。なんや緊張させるお人やなあ」
というのが、クラウンの率直な感想であった。