王国ファンタジア【氷炎の民】ドラゴン討伐編
「ああ、移動手段として馬が支給されるが彼らは雪狼を怖がる。お前はセツキと一緒にここに残れ」
「え?」
青い瞳を見開くレジィに、サレンスは淡々と言葉を重ねる。
「セツキは、ここではお前か私の命令しか聞かないだろう」
レジィはじっとサレンスの真意をはかるように見上げていたが、ぽつりと言った。
「……、僕が邪魔ですか?」
「レジィ」
「だから置いて行くんですか?」
糾弾するかのようなレジィの言葉にサレンスは小さなため息を漏らした。
「そうだな、やはり簡単には騙されてはくれないか。ドラゴン討伐は容易じゃない。さすがにお前を護りながらでは骨が折れる」
「でも、サレンス様は僕がいないと……」
抗弁しかけるレジィをサレンスが遮る。
厳しい叱声であった。
「お前もレジアスの息子なら聞き分けろ」
常日頃、あまり声を荒げたりしないサレンスの有無を言わさない態度にレジィは俯いた。
小さな肩が震えている。
「あの、レジィ君、サレンスさんは君は心配して……」
見かねてグレードが声を掛けるが、レジィは小さく頭を振った。
やがて、喉から震えがちな声を搾り出す。
「……その言い方は、ずるいです。言い返せない、じゃないですか」
少年は顔を上げ、まっすぐにサレンスを見上げた。
柔らかな青の瞳が涙で潤んでいた。
「え?」
青い瞳を見開くレジィに、サレンスは淡々と言葉を重ねる。
「セツキは、ここではお前か私の命令しか聞かないだろう」
レジィはじっとサレンスの真意をはかるように見上げていたが、ぽつりと言った。
「……、僕が邪魔ですか?」
「レジィ」
「だから置いて行くんですか?」
糾弾するかのようなレジィの言葉にサレンスは小さなため息を漏らした。
「そうだな、やはり簡単には騙されてはくれないか。ドラゴン討伐は容易じゃない。さすがにお前を護りながらでは骨が折れる」
「でも、サレンス様は僕がいないと……」
抗弁しかけるレジィをサレンスが遮る。
厳しい叱声であった。
「お前もレジアスの息子なら聞き分けろ」
常日頃、あまり声を荒げたりしないサレンスの有無を言わさない態度にレジィは俯いた。
小さな肩が震えている。
「あの、レジィ君、サレンスさんは君は心配して……」
見かねてグレードが声を掛けるが、レジィは小さく頭を振った。
やがて、喉から震えがちな声を搾り出す。
「……その言い方は、ずるいです。言い返せない、じゃないですか」
少年は顔を上げ、まっすぐにサレンスを見上げた。
柔らかな青の瞳が涙で潤んでいた。