王国ファンタジア【氷炎の民】ドラゴン討伐編
「そやけど、だいじょうぶなん? いつもはもう少し食べとるやろ?」
サレンスの器の中身がまだ半分ほど残っているのを見てクラウンが言う。
「そうですよ。大人の男の人ってけっこう食べるものなのに。ひょっとしてお口に合わないとか?」
黒い瞳を心配げに曇らしたサハナにサレンスは意外なことを告げる。
「いや、もちろん美味しいよ。ただ少し緊張しているだけだ」
「へえ、あんたでも緊張するんだな」
アウルかしみじみと言う。この氷炎の民の青年いつもは落ち着いた穏やかな物腰ではあるし、ドラゴン討伐に対してもきちんと計画を練っていたりもする。
が、かと言って堅物と言うわけでもなく、サハナにちょっかいを出したりするような軽い部分もあり、緊張とは縁のない人物に見えていた。
「酷いな。人の神経を極太の縄か何かのように言わないで欲しい」
傷ついたかのように言う銀髪の青年の抗議を真に受けて、アウルが慌て言い訳をする。
「なっ、何もそこまでは言ってないぞ」
それに、サレンスはくすりと笑う。
「ほんとに君は素直だなあ」
「ほんまやな」
「もうアウルたらっ」
くすくすと笑う合う三人。それを見回して、
「えっ、えっ?」
状況が飲み込めずさらに慌てるアウルであった。
ひとしきり笑ったあと、サレンスが真顔に戻る。
「さて、そろそろ説明をしようか」
「お、おうっ」
アウルがとりあえず返事をし、残り二人の視線も彼に集まる。
サレンスの器の中身がまだ半分ほど残っているのを見てクラウンが言う。
「そうですよ。大人の男の人ってけっこう食べるものなのに。ひょっとしてお口に合わないとか?」
黒い瞳を心配げに曇らしたサハナにサレンスは意外なことを告げる。
「いや、もちろん美味しいよ。ただ少し緊張しているだけだ」
「へえ、あんたでも緊張するんだな」
アウルかしみじみと言う。この氷炎の民の青年いつもは落ち着いた穏やかな物腰ではあるし、ドラゴン討伐に対してもきちんと計画を練っていたりもする。
が、かと言って堅物と言うわけでもなく、サハナにちょっかいを出したりするような軽い部分もあり、緊張とは縁のない人物に見えていた。
「酷いな。人の神経を極太の縄か何かのように言わないで欲しい」
傷ついたかのように言う銀髪の青年の抗議を真に受けて、アウルが慌て言い訳をする。
「なっ、何もそこまでは言ってないぞ」
それに、サレンスはくすりと笑う。
「ほんとに君は素直だなあ」
「ほんまやな」
「もうアウルたらっ」
くすくすと笑う合う三人。それを見回して、
「えっ、えっ?」
状況が飲み込めずさらに慌てるアウルであった。
ひとしきり笑ったあと、サレンスが真顔に戻る。
「さて、そろそろ説明をしようか」
「お、おうっ」
アウルがとりあえず返事をし、残り二人の視線も彼に集まる。