王国ファンタジア【氷炎の民】ドラゴン討伐編
「作戦はごく単純だ。もう少しすれば、ドラゴンは熟睡するだろう。そこを狙って王水を浴びせる。後は各自攻撃して、ドラゴンを湖に追いつめる」
クラウンが片手を上げる。
「質問や。どうやって王水を浴びせるん? あん辺りはくぼ地になっとるから、ドラゴンの毒が溜まっとるんやろ。うっかり近づくと毒にあてられるんとちゃう?」
「うん、まずそれだな」
サレンスは立ち上がると、王都から持ってきた大荷物に近づく。
そのうちのひとつに手をかける。
くるくると巻かれたそれをサレンスが広げると、それは色とりどりの絹布を縫い合わせたものに縄が縫い付けられていた。
「縫い物って言っとたんのは、ひょっとしてそれかいな。で、なんやねん。それ」
王都を立つ前夜、レジィに縫い物をさせて夜更かしをしたとサレンスが言っていたことクラウンは思い出す。
「袋になっている。この中に温かい空気を入れてやれば空に浮かぶ。熱気は上昇するからな」
温度を自在に操るサレンスなれば、袋の中に入れた空気の温度を調節することができる。
「え、じゃ、それに王水を運ばせるのか」
アウルの問いにサレンスが頷く。
「ご名答だ。ただ横への移動は私だけでは難しいな。クラウン、風を呼んでくれるか」
銀髪の青年の要請に雷電の民の少女は難しい顔をした。
「呼べへんこともないけど、それよりわしが風を読むから動きを合わせられへんか?」
「やってみよう」
クラウンに答えると、今度は凍青の瞳を森の民の年若い青年に向ける。
クラウンが片手を上げる。
「質問や。どうやって王水を浴びせるん? あん辺りはくぼ地になっとるから、ドラゴンの毒が溜まっとるんやろ。うっかり近づくと毒にあてられるんとちゃう?」
「うん、まずそれだな」
サレンスは立ち上がると、王都から持ってきた大荷物に近づく。
そのうちのひとつに手をかける。
くるくると巻かれたそれをサレンスが広げると、それは色とりどりの絹布を縫い合わせたものに縄が縫い付けられていた。
「縫い物って言っとたんのは、ひょっとしてそれかいな。で、なんやねん。それ」
王都を立つ前夜、レジィに縫い物をさせて夜更かしをしたとサレンスが言っていたことクラウンは思い出す。
「袋になっている。この中に温かい空気を入れてやれば空に浮かぶ。熱気は上昇するからな」
温度を自在に操るサレンスなれば、袋の中に入れた空気の温度を調節することができる。
「え、じゃ、それに王水を運ばせるのか」
アウルの問いにサレンスが頷く。
「ご名答だ。ただ横への移動は私だけでは難しいな。クラウン、風を呼んでくれるか」
銀髪の青年の要請に雷電の民の少女は難しい顔をした。
「呼べへんこともないけど、それよりわしが風を読むから動きを合わせられへんか?」
「やってみよう」
クラウンに答えると、今度は凍青の瞳を森の民の年若い青年に向ける。