王国ファンタジア【氷炎の民】ドラゴン討伐編
第11章 眠れる神
青い青い空間。
どこまでもどこまでも続く茫漠たる広がり。
たっだ広いそこには時折、赤や金や紫の光が瞬くばかり以外は何もなかった。
どこまでもどこまでも続くそこに、レジィはただ立っていた。
いや、浮いていた。
彼の足元には地面すらない。
けれど、氷炎の民の少年は焦るふうもなかった。
「<サレンス>様、気づいているんでしょう?」
たっだ広い空間に向かって呼びかける。
「よく来れたものだ」
声がどこからともなく返る。
「よくも何も僕の夢に干渉したのは、僕を呼び出すためでしょう?」
全方位から響いてくるような声にレジィは戸惑いながらも答えを返す。
「気づいていたか。さすがだな」
ふいにレジィの目前にひときわ青い炎が燃え上がる。
人の大きさほどに燃え上がったそれは、やがて人の姿を取る。
きらめく長い髪は銀糸のよう。
蒼い瞳は、凍てつく空を思わせる。
人目を奪う非の打ちどころのない麗貌。
細身であるが、ほどよく均整の取れた体つき。
レジィの主、サレンスの姿に酷似していても、それはまた人ですらなかった。
氷炎の民が崇める神、<サレンス>。
それが、人の姿を取って見せたに過ぎない。
彼自身のうつし世の<器>であるサレンスに似せて。
どこまでもどこまでも続く茫漠たる広がり。
たっだ広いそこには時折、赤や金や紫の光が瞬くばかり以外は何もなかった。
どこまでもどこまでも続くそこに、レジィはただ立っていた。
いや、浮いていた。
彼の足元には地面すらない。
けれど、氷炎の民の少年は焦るふうもなかった。
「<サレンス>様、気づいているんでしょう?」
たっだ広い空間に向かって呼びかける。
「よく来れたものだ」
声がどこからともなく返る。
「よくも何も僕の夢に干渉したのは、僕を呼び出すためでしょう?」
全方位から響いてくるような声にレジィは戸惑いながらも答えを返す。
「気づいていたか。さすがだな」
ふいにレジィの目前にひときわ青い炎が燃え上がる。
人の大きさほどに燃え上がったそれは、やがて人の姿を取る。
きらめく長い髪は銀糸のよう。
蒼い瞳は、凍てつく空を思わせる。
人目を奪う非の打ちどころのない麗貌。
細身であるが、ほどよく均整の取れた体つき。
レジィの主、サレンスの姿に酷似していても、それはまた人ですらなかった。
氷炎の民が崇める神、<サレンス>。
それが、人の姿を取って見せたに過ぎない。
彼自身のうつし世の<器>であるサレンスに似せて。