ごめんね、守れなくて。
25 花火4
帰りの電車は人が多いから何人かに別れ、車内は花火大会帰りの人達で込み合っていた。

俺達は5人で中央に輪を描くように立っていた。つり革に捕まってたのは俺と兄貴。あとの女の子3人は込み合ってるせいで手が届かない。

ガタンゴトン..

揺れた。

あなたの手は

兄貴の服を掴んだ。


なぜか今でもその光景が頭から離れない。ささいな事でどちらにも悪気はないのに。なぜ隣に居た俺を掴んでくれなかったんだろう。
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