境界上

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『横柄な話じゃない』『骨が折れました』、ねぇ……。


白々しくもいっそ清々しいその笑顔に。

いけしゃあしゃあと動く口に、思わずふっと笑いが漏れる。


「あ、もしかして第一関門はクリアできた感じですか？」


……そうね。

ここで自身の能力なんかをベラベラひけらかす低能男なら、間違いなく願い下げだったんだけれど。

妙にアタシ好みな言葉選びのセンスといい。

小生意気なのにどこか気分を良くさせる雰囲気といい。



「――オススメのお店とか、ある？」



悪くないわ。

久々に“掘り出し物”を発見したのかもしれない。