境界上
.


わざと。ゆっくり肌を曝した足を組み替えて。


「“範囲外”って――
例えばどんなコトで満足させてくれるワケ?」


上目遣いに見上げながら、自分の膝を彼の膝にピタリと寄せる。


久々の反撃モチベーションの高さに。

内心、自分で驚きを感じていた。


昔こそ存在した“負けず嫌い”も
今やすっかり見る影ナシの“無頓着”。


年々、“負かす”為に掛ける手間暇の意味が分からなくなって。

年々、意味の分からなくなった手間暇に割く労力が面倒になって。


唯一意味を見出していた“駆け引きの為の労力”だって、
最近じゃダレっぱなし。


だから正直、いつ以来かのこの高揚はとても新鮮だった。


“駆け引き”への執着に――

久々に火がついた。


オスの瞳にはメスの瞳を。

アナタが指ならアタシは脚。


“目には目を”。

まさにカップルシートならではの“戦法返し”。


さぁ、次はどうでる?



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