境界上
.


――こういうのって久しぶりだわ。


彼の“過剰サービス”を受け入れながら、ふとそんなことを思っていた。


衝動と執着。

今日が“初めまして”の、同じ職場の食えない男と、なんて。


まるで勢いに任せて大人買いした、リスクの高いショッピングだ。


20代も半ばに入ると、
“味見”はしても即決買いはしない。

今までの経験から言って、“即結”は後の面倒事が多かったもの。


……それでも。

彼にはアッサリ足を開いてしまった。


長年の勘、とでも言うヤツか。

この“大人買い”はお買い得だと判断してしまった。


心地よいスリルが。

程良い過剰サービスが。


再び自分のカラダに宿ったこの新鮮な感覚が。



「―――っっ……」



イマハ

タマラナクキモチイイ――。







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