境界上
.


後はもう――

“新歓名物”らしい“そういう”流れで。

お釣りがくる程簡単に、蓮の部屋へなだれ込んだ。



『―――…』


絶妙にツボを心得たキスも。

“キテ”欲しいところに“クル”、震えの止まらない甘い痺れも。



『――……っ…』


より欲情を駆り立てる焦らし方といい。

攻め立てるタイミングといい。


それは憎らしいほど“アタシ”を見抜いた、恍惚とさせるセックスで――。


その、口惜しくも良すぎる相性の良さと、

“アタシの性質”を意図も容易く理解した“経験値”とでも言うべきかモノに



『――蓮』


気付けば、蓮を求めることがすっかり日常になっていた。





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