らぶきゅん
あたしの視線の先には洵介先ぱいがいる。
体育館に向かって歩いている。そこまではいいんだけど。
「……ってぇ」
洵介先ぱいの膝からは血が出ていた。
「洵介先ぱいっ!!」
あたしは洵介先ぱいの元へ駆け寄った。
「げ……お前か」
一瞬だけ眉をひそめた洵介先ぱいだけど、膝の痛みがありすぎるのかそれ以上は何も言わなかった。
「その傷、どどどうしたんですかっ!?」
「あーこれか?外周走ってたらズッコケただけ」
「大丈夫ですかっ!?」
「全然。まぁ、ハデにコケちまったから外傷はすごいけどな」
そう言って腕から流れ落ちる血を見せた洵介先ぱい。