らぶきゅん






「行ってきまーす」


ぶすっとしながらほぼ棒読みで家を出た。


「あっ、真柚!!」


すると玄関からお母さんが出てきた。


「これ、お母さんがいつも大事な時に身に付けてるお守り。持っていきなよ。仲直りに役立つかもよ?」


お母さんが手に持っていた可愛らしいお守りをあたしに渡した。


あたしは知ってる。大事な時じゃなくても、毎日持ってることを。だから……


「いらないっ」


「え?」


「お母さんの大事なモンじゃん。それにお守りなんか無くたって大丈夫だよっ」


お母さんにお守りを返した後、ピースサインをして学校へと向かった。


香里に謝るのも、洵介先ぱいに気持ちを伝えるのもあたし次第。


あたしが動かなきゃハッピーライフは来ないんだっ。






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