リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・3
「でも二年の時は英語が得意だったのよね。三年になってからは数学の方が成績が良くなってくれて、嬉しいわ。何なら理数系の大学の…」

「嬉しい、ですか?」

突然あたしの言葉を遮り、彼が真剣な言葉を出した。

「えっええ、もちろん。あたしの担当する教科だし、数学を好きになってくれるのは素直に嬉しいわよ」

…キライな子の方が多いから。

「…なら、先生はオレに好かれたら、嬉しいですか?」

「えっ? そりゃあ…嫌われるよりは、好かれた方が嬉しいわよ」

「そうじゃなくてっ…!」

彼は前髪をぐしゃっとかき上げ、真っ直ぐにあたしを見てきた。

あっ、コレはヤバイ。

長年、教師をしている勘がささやいている。

話題を変えろ、と。
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