∴ 真実 ∴
ただのファン
私は、普通の中学生。
まじめに学校に通って
行きたい高校に受かるために
ちゃんと塾にも通ってる。
今年、私は受験生になった。
〝受験〟っていう二文字がなんか嫌だ。
逃げたくても逃げられない、
避けたくても避けられない
そんな大きな壁な気がするから。
「美緒?何ボーっとしてんの?」
私はフッと親友の結衣の声で
我に返った。
「あ、ごめん
ちょっとボーっとしてた」
私がちょっと申し訳なさそうに
そう謝ると、結衣は笑顔で
「いいけど」って笑った。