君ヲ想う。
あたしはその電話からホッとため息をついて、
駅で1人待った。
蘭と菜月は・・・
2人でウロウロと駅の近くの繁華街にいる。
あたしはずっと緊張しながら待った。
いつ来るかわからないから・・・
ドキドキするし。
なんだか胸が苦しいよ・・・
この待つ間は、自分の心の中でシチュエーションをした。
なんて言って渡そうか??
なにから話そうか??
何か何かと・・・





「ごめんっ!!待たせて・・・。」
優が来た。
息をきらして・・・。
そんな走って来なくてもよかったのに・・・。
「そんなのいいよ。
渡すだけだから・・・。
それより、ごめんね。
急に呼び出して・・・。」
あたしは何よりも誕生日なのに、
駅まで来てもらう事が迷惑だと感じたし
悪いから謝った。
「そんな謝らなくてもいいよ・・・。
それより・・・何??
渡したいものって・・・。」
優は本題に入った。



「あのね・・・。」
あたしはカバンの中から包装されたものを
取り出した。
「はいっ!!」
あたしは優の顔を見ずに、
下を向いて渡した。
今のあたしの顔はすごく真っ赤だろうし・・・
今すごくドクン・・・ドクン・・・って
優に聞こえそうだよ・・・

「え??もらってもいいの??」
「だって・・・誕生日でしょ?
渡したかったから・・・。」
あたしはまだ顔を上げられないまま、
話した。
久しぶりだ・・・こんなに話したのは。
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