君ヲ想う。
あたしは、無我夢中で走った先は屋上だった。
この屋上は落ち着く。
前もこの場所に来た覚えがある。
その時は嫌になった時とか
1人になりたい時に来た。
今、あたしは1人になりたい。
もうたくさんだよ。


もう諦めてしまえば・・・
あたしはもう何もこわくない。
もう辛い想いはしなくてすむんだ。






もう・・・
これでいいんだから・・・。
ただ、彼は隣にいる。
それが嫌だ・・・。
窓に近いから風のせいでなびく彼の茶色い髪は
いつも心地よく感じた。
そんな彼をどうやって見ないようにするの??
どうやって気にならないですむの??




今のあたしには無理だよ。
無理なの。









ねぇ、
あなたの彼女は誰なの??
あたしより可愛いのよね?
絶対そうだよ・・・。
だってあなたは恋をしたことがない人よ?
あなたの心を動かせる人なんて
いい人に決まってるのよ。






あたしは泣いた。
ここなら、誰にも気付かれないですむから。
ここなら大丈夫だって・・・
わかるから・・・。
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