君ヲ想う。
まさみ・・・か・・・。
あたしもあの彼女になっていたら、
もっと話していただろう。
もっと幸せを感じていただろう。
そんな優がだんだん・・・
遠くに感じる。
また・・・あたし達は距離を感じる。
喋ることもなく、ただ存在となった。




そんなあたしは、久しぶりに優と話す日がきた。
「ごめん・・・亜衣ちゃん!
それ貸して。」



ちゃん・・?
え?前まで・・・呼び捨てだったよね?
「あっ、うん!」
話すだけで嬉しかったのに・・・
あたしは悲しかった。
「ありがとう。」
たったそれだけだった。





きっと彼女に誤解されるからそうしたのだろう。
優は優しいからね・・・。
そんな優しさ、今はいらないよ。
さっきまであたしのところにいた優は
すっかりもうまさみのところに行っていた。
どれほど想っても、彼女にはかなわないのかな?


あたしはまさみを恨み、憎く思えた。
噂では優から告白したらしい。
どちらも悪くない。
ただ恋をした。
それだけなのに・・・
あたしは嫉妬して、憎しみを感じる。
人はどうして、幸せばかり起きないの?
どうして・・・苦しめるの??
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