君と竜が望んだ世界
攻撃的で威圧的なさっき少し見せた彼は、最初の優しげな男に戻っていた。
「では改めてフォルセティ1、今日は助かった。ありがとう」
「どーせ軍部の命令だし、俺は報酬を手にするんだ。礼はもういらん」
先ほど、魔獣を殺し終えたあとうんざりするほど礼を言われ囲まれたのだ。
「そうそう、この子はメレディス、俺の従妹。でこっちが幼なじみのクレア。二人とも俺の妹みたいなもので、今日は見習いとして参加したんだ。しかもフォルセティ1に紹介しろってうるさくて」
「見習い……」
フォルセティ1はカナトールに紹介された二人を交互に見ながら呟いた。
「『民商連』よ、民間商業連盟ギルド。相互扶助を掲げて国防も手がける、そ、し、き!」
活発で人なつっこそうなクレアと紹介された女の子が、腰に手をあて、人差し指を振りながら言った。
「私たち、まだ学生なので任務レベルの高い物は見習いとしてしか参加できないので」
カナトールの従妹、メレディスという女の子はクレアとは対照的に落ち着いてどこか冷静で冷めたような、だが気品と気高さを持ち合わせた雰囲気の少女だった。
「いや、知らないわけじゃないんだ。そっか、忘れてた。そんな制度もあったっけ」
そういえば、と頭を傾げながら思い出したらしくフォルセティ1が続けて問う。
「で、何か用?」
仮面越しの双眸からは何の感情も表さない瞳が覗く。
「べっ、別に用ってわけじゃ……」
「ねぇねぇ、フォルセティ1っていくつ? 本名は? ランクいくつ? なんで顔を隠すの?」
どこかそっけないメレディスの返事を遮ってクレアが喜々として身を乗り出し、質問してきた。
「あー……、ノーコメントで」
「なんでよー! いいじゃない、少しくらいなら。ね?」
「良くない。俺自身に関することは一切教える気はない。仕事がやりづらくなるのはごめんだからな」
「ちぇっ。じゃあ自分で探るしかないのかぁ」
何度か押し問答を繰り返すも、どうやっても答えてくれそうにない様子を見てすぐにあきらめたクレア。
「では改めてフォルセティ1、今日は助かった。ありがとう」
「どーせ軍部の命令だし、俺は報酬を手にするんだ。礼はもういらん」
先ほど、魔獣を殺し終えたあとうんざりするほど礼を言われ囲まれたのだ。
「そうそう、この子はメレディス、俺の従妹。でこっちが幼なじみのクレア。二人とも俺の妹みたいなもので、今日は見習いとして参加したんだ。しかもフォルセティ1に紹介しろってうるさくて」
「見習い……」
フォルセティ1はカナトールに紹介された二人を交互に見ながら呟いた。
「『民商連』よ、民間商業連盟ギルド。相互扶助を掲げて国防も手がける、そ、し、き!」
活発で人なつっこそうなクレアと紹介された女の子が、腰に手をあて、人差し指を振りながら言った。
「私たち、まだ学生なので任務レベルの高い物は見習いとしてしか参加できないので」
カナトールの従妹、メレディスという女の子はクレアとは対照的に落ち着いてどこか冷静で冷めたような、だが気品と気高さを持ち合わせた雰囲気の少女だった。
「いや、知らないわけじゃないんだ。そっか、忘れてた。そんな制度もあったっけ」
そういえば、と頭を傾げながら思い出したらしくフォルセティ1が続けて問う。
「で、何か用?」
仮面越しの双眸からは何の感情も表さない瞳が覗く。
「べっ、別に用ってわけじゃ……」
「ねぇねぇ、フォルセティ1っていくつ? 本名は? ランクいくつ? なんで顔を隠すの?」
どこかそっけないメレディスの返事を遮ってクレアが喜々として身を乗り出し、質問してきた。
「あー……、ノーコメントで」
「なんでよー! いいじゃない、少しくらいなら。ね?」
「良くない。俺自身に関することは一切教える気はない。仕事がやりづらくなるのはごめんだからな」
「ちぇっ。じゃあ自分で探るしかないのかぁ」
何度か押し問答を繰り返すも、どうやっても答えてくれそうにない様子を見てすぐにあきらめたクレア。