君と竜が望んだ世界
1-3 十年ぶりの、力比べ
「昨日に引き続き二人一組で近接格闘の練習だ。今日使うのは短剣だ。各自、そこからひとずつ記憶術具を取って待機」
ロイが訓練内容を説明し終えるやいなや、《練習用短剣》と書かれた箱の中から次々に十~二十㎝程の長さの棒状のものをひとずつ取り出していった。
こげ茶や黒、灰、赤褐色といった数色の棒が数十本、生徒の手に渡る。
実技の時間になると、教室や座学(ざがく:講義形式の学科)での態度とは一変、生徒たちは真剣になる。
戦闘の専門家(スペシャリスト)であるロイの実力を、知っており、尊敬しているからだ。
「記憶術具を“練習用”の、三十~五十㎝の短剣または短刀、好きな方に設定。各自、記憶復元しろ。
“実戦用”はまだ危ないから駄目だぞ」
ロイに言われたとおり『記憶術具』を手にした生徒は棒についている、ダイアルのようなものをいくつか動かして設定し、術力を込めていく。
力を込めると同時に、生徒たちが握っていた棒状の術具の先が一瞬光を発し、その刹那、金属のような材質の平たい棒が次々に伸びた。
握っていた部分は柄(つか)に、現れた平たい棒は刀身となり、生徒は“記憶復元”した短剣あるいは短刀を持って待機していた。
待機している生徒が準備した術具一つずつを確認していく。
練習とはいえ、生徒に大怪我をさせるわけにはいかないので、しっかりと、鋭利さが一切取り除かれた丸みを感じさせる術具を、“練習用の刀剣”を確認していく。
殺傷能力が最大限に取り除かれた術具を手に、生徒たちは広い訓練場の端々で訓練を始める。
ロイが訓練内容を説明し終えるやいなや、《練習用短剣》と書かれた箱の中から次々に十~二十㎝程の長さの棒状のものをひとずつ取り出していった。
こげ茶や黒、灰、赤褐色といった数色の棒が数十本、生徒の手に渡る。
実技の時間になると、教室や座学(ざがく:講義形式の学科)での態度とは一変、生徒たちは真剣になる。
戦闘の専門家(スペシャリスト)であるロイの実力を、知っており、尊敬しているからだ。
「記憶術具を“練習用”の、三十~五十㎝の短剣または短刀、好きな方に設定。各自、記憶復元しろ。
“実戦用”はまだ危ないから駄目だぞ」
ロイに言われたとおり『記憶術具』を手にした生徒は棒についている、ダイアルのようなものをいくつか動かして設定し、術力を込めていく。
力を込めると同時に、生徒たちが握っていた棒状の術具の先が一瞬光を発し、その刹那、金属のような材質の平たい棒が次々に伸びた。
握っていた部分は柄(つか)に、現れた平たい棒は刀身となり、生徒は“記憶復元”した短剣あるいは短刀を持って待機していた。
待機している生徒が準備した術具一つずつを確認していく。
練習とはいえ、生徒に大怪我をさせるわけにはいかないので、しっかりと、鋭利さが一切取り除かれた丸みを感じさせる術具を、“練習用の刀剣”を確認していく。
殺傷能力が最大限に取り除かれた術具を手に、生徒たちは広い訓練場の端々で訓練を始める。