君と竜が望んだ世界
 大多数より三年早い十五歳で軍学校に入ったロイ・アシュレイは、同じく三年早い、二十二歳で卒業し、少尉として軍に属した。


「『ヤング・オフィサー』……なんて呼ばれていたな、そういや」


 十五歳での入学なんて当時はロイ一人しか居らず、とても珍しがられたし、期待もされた。

 故に、卒業した暁には、いつかの昇進と将軍を目指す若き将校『ヤングオフィサー』という愛憎籠もった肩書きが付けられた。

 人懐っこく、親しみやすい性格でもあったロイは、それが愛称へと定着し、そう呼ばれたりもした。


「よせよ、そのヤングオフィサーよりも若い上官だったくせに」


 最年少の二十二歳で士官学校を卒業した、うら若きロイ・アシュレイ少尉が最初に配属された所が、ちょうど十九歳で当時の中尉ハーヴェイ・クレネルの隊だった。

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