王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐
一般的な雷電の民にはそんな能力は無かったが、クラウンはいわゆる先祖還りというやつで獣化が出来る。
「2人くらいならなんとか乗せたれるで。
ただし空模様は荒れるやろけどな。
草原の民の…パンパスにはキツイやろけど、こればっかは不可抗力や。
勘弁したってや」
苦笑いで言うクラウンに、パンパスは頷いた。
ヴァラオムにベリル、セシエル、ドルメックが乗り、
クラウンにグレードとバジル、
そしてパンパスが風切り羽根で移動することになった。
「戦いの中での役割を決めておいた方がいいだろう。
グレード、バジル。
癒しの民の君達は勿論、このパーティ全体の回復に当たってくれ。
あくまでも後方支援に徹するように。
君達が負傷すれば、我々には成す術が無い。
…君達が我々の命綱だ」
「……はい」
「傷の手当ては任しときな!」
グレードとバジルが答える。
「クラウン、君は電撃でドラゴンの隙を作ってくれ。
電撃ではドラゴン相手に確実な致命傷を与えるのは難しいが、一時的に行動を止められる。
その隙を付き、確実にダメージを与えていきたい」
「任しとき!ヤバそうやったら加勢にも行ったるで」
トレードマークのキセルを肩に置き、ウィンクして見せる。