王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐
「同じく流浪の民セシエル。
俺はベリルのサポート役として来たんだ。
……よろしくね」
ほとんど表情の動かないベリルとは対照的に、満面の笑みを浮かべるセシエルが続いた。
「オレは、癒しの民代表のグレード。
グレード・エルニーグです…」
「んで、俺がサポート役のバジル。
バジル・ヴィンガー!よろしくなっ」
次いで名乗ったのはグレード達癒しの民。
落ち着いた態度のグレードとは違い、サポートのバジルは騒がしそうだ。
バジルの方が年上らしいが、そんな風にはまるで見えない。
「わしは雷電の民代表のクラウン…って言うても、一人しかおらんから代表も何も無いんやけどな…。
よろしゅうな?」
いつもくわえている細工の施されたキセルから、紫煙を燻らせてクラウンが言う。
もう隠す気が無いのか、フードを外し、雷電の民特有の金銀マーブルの角や尖った耳を晒している。
「私は、草原の民代表のパンパスです。
よろしくお願いします」
黒髪短髪、黒目の整った顔立ちの少年が名乗る。
18歳と資料には付いていたが…童顔なのか、それよりも幼く見える。
「……ドルメック。宝玉の民だ」
ドルメックが最後を締め括った。