王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐
ドルメックの瞳の中に紅く染まる自身を垣間見、怯むクラウン。
思わず、言い淀む。
「――っそら、ワシは考え付かへんけど…」
「じゃ、決まりだ。
アイツ等もあまり待たしてらんねぇだろ」
アイツ等とは勿論、向こうでドラゴン相手に奮闘している仲間達。
そこまで話して、ベリルを見る。
指揮権を持っているのは彼なのだ。
渋い表情で思案していたが、致し方無いとでもいうように頷いた。
「確かにこのままでは埒が空かない。
かなり危険だが、その策に賭けるしかなさそうだ…」
その場の全員が顔を見合わせる。
渋々というように皆承諾の意を示し、ドラゴンと奮闘する仲間の元へ急いだ。