王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐
「さて、作戦や戦術を練る為には、皆がどんな力を持っているかを把握しておく必要がある…。
それぞれ何を武器として、どんな特殊能力があるかを教えてくれるかね?」
いつの間にか仕切り役になっているベリルが言う。
「草原の民は風を操ります。
風読み、風走り、風切り矢、防風陣…。
風が絡む事柄なら、ある程度自由に出来ますよ。
後、私が使う武器は弓です」
パンパスが、先陣を切って話した。
そのパンパスに、訝しげな目を向けるクラウン。
「あんさん、肝心な矢を持っとらんやんか。
どうやってドラゴンに攻撃するつもりや?」
確かに、クラウンが言うのも尤もである。
パンパスか背中に装備しているのは弓だけ。
矢筒を下げていないのだ。
放つ矢が無ければ、弓だけでは何の意味も無い。
それに対してパンパスは事も無げに答えた。
「ああ、さっき話した風切り矢ですよ。
背中にある弓で、風を集束させた矢を射るんです。
私には形のある矢は要らないので」
そう説明した。
感心した様にクラウンが呟く。
「ほぉ〜。経済的やな〜」