王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐



「ほな、次はわしが行こか。
雷電の民が使うんは、勿論電撃や。
このキセルを媒介にしとる。
わしは先祖返りみたいで、獣化も出来るで。
但し、獣化すると有無を言わさず天候が荒れるからオススメ出来へんな〜」


それだけ言うと、目の前に置かれている料理に手を付け始めた。

もしかしたら、箸を付ける機会をずっと狙っていたのかもしれない。


「じゃあ、次はオレが。
オレ達癒しの民は武器を持ちません。
毒薬ぐらいなら作れますが、ドラゴンに通用するとは思えませんし…。
使える能力は、魔法による治癒、癒光、そしてこのアイボリー・アイです」


アイボリー・アイとは、癒しの民特有の瞳で、身体の正常に作用してない部分を見分けることが出来る。

能力の高い者は、より細部まで判断が出来るという。

「癒しの民は、薬、針、魔法の三つを用いて治療に当たる。
グレードはどれでもオールマイティーにこなすぜ。
俺は、薬の調合が専門分野なんだ」


バジルが後を次いで捕捉した。

それに対し、神妙に頷くベリル。


「ふむ、成る程な…。私達は運がいい。
癒しの民がメンバーに居るというのは心強いことだ。
二人共、後方援護になると思うが、よろしく頼む」


「はい!絶対に、誰も死なせません…」

「おう!任せとけ!」


ベリルの言葉に、グレードが強い意志を示した。

バジルも力一杯頷く。




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