王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐
自然と、ドルメックに視線が集まった。
どうやら出番らしい。
「俺の武器は、盗賊業で使う物全般だな。
護身用の大型ナイフに、投げナイフ、鉤爪付きワイヤー、煙幕、閃光弾、催涙弾、爆竹とか…。
どれもドラゴン戦に役立つとは思えないが…。
ん?…どうかしたのか?」
分かりやすい様に、装備品をテーブルの上に出しながら説明していると妙な顔で見られていた。
クラウンが代表して言ってきた。
「あんさん、手品師にでもなったほうがええんちゃうか?
どっからそないな量の物が出てくんねん!」
クラウンの言葉に、皆が一斉に頷く。
ドルメックの装備は、機能性重視で収納スペースが沢山ある。
盗賊というイレギュラーの発生しやすい仕事柄、手札は多いに越したこと無いのだ…と説明してやる。
「宝玉の民の特有の能力は、核石の魔力解放によるエネルギーの爆発。
それによって起こる衝撃波の様なものだ。
今まで一度しかやったことが無い上、上手く制御出来るか分からない」
ドルメックの説明に頷くベリル。
思案する様に顎に手を当てる。
「東北地区は大草原で身を隠す場所が無い。
制御が出来なかった時を考えれば、一般兵はいない方が良いかもしれんな…」