王国ファンタジア【宝玉の民】‐ドラゴン討伐編‐
ドルメックも、それは考えていた。
ベリルと視線を合わせ頷く。
巻き込まれ負傷者が出れば、治療に当たるグレードとバジルの負担が増えるだけだ。
「俺は、クロスボウを使う。
パンパスと違って、機械仕掛けのタイプで矢にも限りがある。
ベリルが魔法を込め易いように、矢じりの部分はミスリルで出来ている。
だから、一時的ではあるけど、魔法を乗せられる」
セシエルが、相変わらずの穏やかな笑顔で語る。
(…この人、本当に戦うんだ…)
思わずそんなことを考えてしまうドルメック。
ここに集まった中で、一番戦う姿の連想出来ない人物だ。
同じ流浪の民のベリルが話始めた。
「私が扱う獲物は、ミスリル製のグラディウスとダガー二本。
私はウォーロックなのでね、この剣に魔法を込めて戦うつもりだ。
そして、マジックアイテムを数種類持っている」
「ああ、後は捕捉だけど…。
俺達流浪の民は、個人差はあるけど気の流れが読めるよ」
セシエルが最後に締め括った。
ベリルが再び全員を見渡し頷く。
「これで皆、それぞれに何が出来るか把握できた筈だ。
それを元にドラゴンの特性、地形などを考慮し作戦を練りたいと思う」