生徒会室へようこそ


シーンと静かな数学準備室に入るのは初めてで。

「お茶だ」

ついでに言うと、黒崎先生と二人っきりで話すのも初めてだ。

「あ、りがとう、ございます」

緊張してうまく喋れない。


あぁ、こんなの、友達に言ったら絶対に恨まれるな。

私の友達にも黒崎先生の事好きな子結構いるし。

「何かあったのか?」

言いながら私の目の前の椅子に座って長い脚を組む。

その姿も様になっていてカッコいい。


「何でもない、です」

とりあえず、そう答えると


「まぁ別にこっちも深くは聞く気はないがな」

そう言ってお茶を一口すする。


あぁ、そうですよね~

この人って確かにカッコいいけど、生徒の事に
関しては無関心そう。

さっさとお茶飲んで私も帰ろうっと

まだ熱いままの湯呑を持った時にふと思い出した事
があった。

そういえば、この人って

「あのぉ」



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