生徒会室へようこそ

「何もしてないって?」

「高崎は運命という言葉を信じるか?」

「ぶっ」

この人から絶対に出て来ない言葉を耳にして
つい吹いてしまう。

良かった、お茶を飲んだ後で。


「運命、ですか?」


私の言葉に大真面目な顔で頷く黒崎先生。


「俺達はただ運命の糸で繋がっていただけだ」

「そんなメルヘンチックな事言うんですね、
先生も」

私の言葉にじろりと睨んでから


「俺も信じてなかったさ。待たなくていいと言ったしな。
別れてから大分時も過ぎていた。でも再会したあの時
思った、これが運命なんじゃないのかって」


先生の口から出てくる言葉一つ一つが
信じられないけれど


でも嘘じゃないんだなっていうのは分かる。


「もし相手が運命の相手ならばどんなことがあっても
必ず結ばれる」

「それはたとえ今離れる事になってもですか?」

「そうだな」

先生が大きく頷いた。


< 186 / 285 >

この作品をシェア

pagetop