生徒会室へようこそ


山咲くんがゆっくりと私から離れそして

「クソ!」

床を蹴りながら走り去って行く。


その後ろ姿を見ながら小さくありがとうとだけ呟いた。

だってあの人のおかげで

私はこうしてみんなに会えたんだから。




「美桜、大丈夫?」

「あ、はい、平気です。でも何で急にここに?」

「あーさっきの男が高崎さんを追いかけてるのを見付けてさ」

「そーそーそしたら王子がさ、追いかけるぞとか言ってさ~。ね!!」


安部委員長と福山委員長の言葉にみんなが一気に笑いだす。

「どんだけ心配したんだかさ~」

「追うぞって俺達まで強引に引き連れてさ」

「ったくどんだけ美桜の事大事なんだかな」


「それって・・」



すごく心配してくれってことだよね?

私の事、大事って想ってくれてるってことだよね?



「んんっ!!」

副会長の咳払いにみんなの口が一気に閉じる。


「お前に話があるんだ」


副会長がまっすぐ私を見ながら、口を開いた。


何だろう?


ドキドキする。



「お前に次の生徒会長に立候補して欲しい」

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