王国ファンタジア【雷電の民】−ドラゴン討伐編−

「さっきの話ですが、やっぱりこっちの機構を使う方が…」

「や、でもそれやったら弾道が…」

「ですから、この機構と組み合わせることで…」

リエル、サラ、そしてクラウンよりも遅れて部屋に入ったドルメックは、そこで交わされる会話に少々たじろいだ。飛び交う専門用語に、ともすれば口論とも捉えられるような白熱した議論。ドルメックはリエルやサラとは初対面だったが、クラウンとは顔見知りである。ひょんなことから知り合うこととなった彼女を、ドルメックは自分と似た境遇を経験しながらもそれを乗り越えた者として一目置いていた。

「あの」

ドルメックがリエルとクラウンの議論に呆気に取られていると、部屋の奥から声を掛けられた。


「初めまして。わたしは技巧の民のサラと申します。同じく技巧の民のリエルの付き添いで参りました。よろしくお願いします」



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