王国ファンタジア【雷電の民】−ドラゴン討伐編−
体に電撃を纏うクラウンは、しかし誰にも答えず席を立った。部屋の奥の窓を開け、窓の桟に腰掛ける。懐からキセルを取り出し煙草を詰め、火を付けた。そして、キセルをくわえて大きく息をついた。一連の動作を固唾を呑んで見守る俺達の視線を意にも介さずどこか遠くを見つめながら紫煙を燻らせる。その視線の先を追って窓の外に目をやると、晴れていたはずの空にいつの間にか雲が出てきていた。鈍よりと曇った空に胸の奥がざわめく。
パチリ、バチッ、ジジジ…
クラウンの放電が続く。
部屋の中に視線を戻すと、皆一様に不安げな表情をしていた。クラウンの豹変と、急な天気の変化。バシラスだけが険しい顔をしていた。
パチリ、バチッ、ジジジ…
クラウンの放電が続く。
部屋の中に視線を戻すと、皆一様に不安げな表情をしていた。クラウンの豹変と、急な天気の変化。バシラスだけが険しい顔をしていた。