王国ファンタジア【雷電の民】−ドラゴン討伐編−
「ほな先ずあんたら、ドラゴンの発生には二種類あんのは知ってるか?」

「は?」

唐突な言葉にいかにも間抜けな声が出てしまった。いや、それよりも…

「そう、2種類」

立てた二本の指をひらひらさせながら喋るクラウン。思わず周りを見渡せば、唖然としているのは俺だけじゃないようだ。

「自然発生するのと人為的に造られるのんや。人為的っちゅうのはちょっとおかしいか。後天的変化とでも言おか…」

「え…、それは。いや、まさか…っ」

リエルの中でなにかが繋がったらしい。真っ青な顔でクラウンを見つめる。クラウンはそれに頷くと話を続けた。

「要するに、今回のケースでいえば、人間の、ドラゴンへの、変身」

静まり返る室内。さすがにバシラスは動揺のそぶりを見せないが、サラは真っ青な顔で口に手を当てている。その隣でリエルは眉間にシワを寄せて頭を振っている。

そんな一同をよそにクラウンがぼそりと呟く。

「多分、なろうとしてなったんやないんやろけどな」

意味深な言い方だ。

バシラスが質問を投げ掛ける。

「クラウン。一体どういう時に人がドラゴンになる」

「禁術の使用時」

「それだけか」

「ん〜、著しく人の理<ことわり>を外れた魔術の使用の反動、かな」


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