王国ファンタジア【雷電の民】−ドラゴン討伐編−
飄々と言葉を紡ぐ彼女だが、その内容は薄ら寒いものだ。


クラウン曰く。

魔術というのは
【この世の理の範疇という条件下において、術者のイメージ+それを発現するための回路(=呪文、魔法陣)+そのために必要なエネルギー】
によって成り立つらしい。これらのファクターがどれか一つでも欠けていれば魔術は失敗する。この内、最も術者に対する負荷が掛かるのが回路の欠陥であり、その場合術者には魔術の発動に要した分のエネルギーが跳ね返ることになる。

「単にエネルギー不足なんやったらまだええねん。発動せんだけやから。
 魔術の反動ってのは何が起こるかわからんねや。ようあるんが暴発。ようはエネルギーがそのまま跳ね返るんやな」


ただ、これが禁術となると違うらしい。

「まず第一に成功せぇへん。しかも、ほぼ確実に異形の存在に成り果てる」

そもそも、前提となる条件を満たしていないのだから、成功するはずがない。ということのようだ。

そして彼女は更に

「術者の魔力によっても違うけど、ドラゴンになるいうぐらいやからこいつ相当な魔力を持っとったんちゃうか」

と言った。
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