この空の下で
パシュッ
周りは静かで、ボールをキャッチする音、川の流れる音…
それしか、この空間に音はない
「ねぇそうちゃん、私キャッチボール上手になったでしょ?」
そう言ってボールを俺の元に投げる
パシュッ
「…」
そうだな…
シュッ
「そうちゃんが引っ越しちゃったあとに
たくさん練習したんだよ
いつかそうちゃんに会った時
下手くそで笑われないように」
確かにさっきから詩織のボールは
しっかり俺のところに届いている
それはあれから時が過ぎ、俺たち二人が成長したという証拠だ