この空の下で


パシュッ


周りは静かで、ボールをキャッチする音、川の流れる音…


それしか、この空間に音はない



「ねぇそうちゃん、私キャッチボール上手になったでしょ?」


そう言ってボールを俺の元に投げる


パシュッ


「…」


そうだな…


シュッ


「そうちゃんが引っ越しちゃったあとに
たくさん練習したんだよ

いつかそうちゃんに会った時
下手くそで笑われないように」



確かにさっきから詩織のボールは
しっかり俺のところに届いている


それはあれから時が過ぎ、俺たち二人が成長したという証拠だ



< 86 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop