この空の下で



「学校嫌だーってごねてたお前が
楽しそうに学校に行ってるのが
嘘みてぇだよ」


俺が見る限り

小さい頃の不器用な
詩織はここにはいない


「そうちゃ…」


「逃げててごめんな

あんなに追いかけてくるとは
思ってなかったけど…

俺は覚えてるから…忘れてねぇから」


たぶんアイツは逃げられていることより

俺が自分との思い出を
忘れてしまってることを
恐れていたんだと思う



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