蒼の教室
いち
突然 彼は私に話しかけてきた
なぁ その本面白い?
一瞬違和感を感じる質問だったが今の状況では正当な質問かもしれない
なぜなら私は授業の3コマ分の時間をこの恋愛小説に費やしていたからだ
まぁ
と曖昧な言葉を返す
実際さして面白くはない
むしろつまらないくらい
そこまで長く言葉をかけるつもりはない
彼と話したのは今日が初めてだ
無愛想
ぼそりとむくれたように彼は言葉を吐き出す
悪かったね
ふと笑みをこぼし真顔に戻り小説に目を戻した