crystal love
「さてと・・・
どこにいこうか・・・」
観光地でもないここは、
特に案内するような
何かがある訳ではない。
「どこでもいい。あ、公園。
公園行こうぜ。」
彼は言って、さっさと歩きだし
私は慌てて、それを追いかける。
「コラッ、待ってよ。」
公園のそばのカフェで、
スープを買って、寒い中
目的の公園の芝生に座り
暖をとる。
「この場所・・・私、
好きだった。」
懐かしい記憶が呼び起こされ
いつになく素直な言葉が
口をついた。
「うん。聞いた。母さんから。
2~3日前に、
3人でここに来た。
エリスが学校から帰るまで
時間があったからさ。
寒かったんだけどね、
ランチしたよ。
ディオナは、ここが
お気に入りだったって聞いた。
俺、わかったよ。
俺は、間違ってないって。」