crystal love
ちらっと、
私の方に視線を落とし
再び、彼は口を開く。
「だから、結婚するつもり
だった。
ディオナと、ね。」
「はいっ?!」
・・・まったく、何を
考えているんだ
この人は・・・
頭痛がひどくなる私を
お構いも無しに、彼は言葉を
続けていく。
「家庭ってさぁ・・・
俺、全然わかんないんだ。
それなのに、あの台本じゃん?
どうしても、この役
欲しくってさ。
・・・どうしていいか、
わかんなかった。
思いついたのが、
結婚したら、家族とか、
家庭ってわかるのかもって
事だった。
でも、その相手っていっても
周りには、俺の事を
等身大のオトコとしてなんて
みてくれるヤツなんていなくて
俺の話にムキになって怒る女
なんて、ホント、いなくって。
オンナどころか、
ロバートですら
最近は、俺に気を遣ってる。
無理難題を通してくれる。」
・・・ロバートは、
あんたの性格を
解ってるからでしょ。
知ってながら、無理難題を
おしつけてんじゃないわよ。
「あの時さぁ・・・」
おかしそうに、クツクツと
彼は思い出し笑いをする。
「お前が、ブチギレてんの
見ながら、お前なら、
結婚相手にいいかも
って、思ったんだ。」
・・・・・