crystal love
ジェイドの腕を振り切ろうと
もがき叫ぶ私を、
彼は一喝した。


・・・勝手なんだよ。

ジェイドは・・・・


「もう、聞きたくないんだよ。」

何とか気持ちを落ち着けて
吐き出した思いに。


「俺・・・ディオナのことが
・・・好きだ・・・」


思いもしなかった言葉が
被さってきた。

思わず、彼の腕の中で
停止してしまう。

彼の、私を抱きとめる
腕の力が強まる。


もう、逃がさないとでも
言うかのように。


「とっくに自分の気持ちなんて
気づいていた。

だから・・・ 

だから、余計に、一緒に
いたかった。

思いもしなかった、
ホームステイの話が叶って
『家庭』とか、『家族』の
疑似体験をしてね。

俺の思考なんて、安直だって
すぐにわかったけど。

最初は、一緒に居れば、
『家族』も『家庭』も
表面的なもので、
なんとなく解るんだろうって
思ってたんだ。

そういう単純な単位ではない
って気づかせてくれたのは

父さんと、母さんと、
エリスと・・・お前だった。

心からの想いってゆうのか、
うまくいえないけど・・・
言葉とか、愛情とか・・・」

上手くいえないんだって
彼は言葉をつぐんだ。


 

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