crystal love
 
彼は、腕を緩めることは
しない。


「俺さ・・・」


ジェイドの腕の中で

本当に近い距離から、
その端正なマスクを見上げる。


「お前の事だけは、まだ、
『家族』だと思ってない。」


・・・・


「家族の前に『恋人』で
あって欲しいと、思ってる。

ファミリーには・・・
その後で・・・
なりたいと思う。」


あ・・・・
っと・・・。


言葉を捜す。


「意味、わかるよな・・・?

ディオナ・・・」


ジェイドの顔が近づく。


頭の中が、パニックで
どうすればいいのか、
わからない。


「プロポーズだからな。

多分、分かってないと思うから
ちゃんといっておく。」


そういって、彼は
凝固したままの
私の唇にキスをした。


「俺は、こういう冗談は
言わない。

最初から、
ずっと、真剣だった。」


返事、考えておいてって
彼は、要約、抱きしめたままの
腕を緩め、私を、そこから、
開放したのだった。




 


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