crystal love
 
夕食後、エリスとジェイドが
食器を洗っている間、
父に呼ばれ、部屋を訪れる。

「ディオナ、手伝ってくれ。」

鞄から現像したての写真が
どっさり出てくる。

「すごい!!こんなに
撮ってたんだ。」

どうやら滞在初日・・・らしき
写真もある。

「ジェスに、
持って行かせようと
思ってね。」

父が言う。

「コメントを書いていたら
間に合わなくなってね。
ここに、挟んでいって
くれないか。」

薄手の冊子を渡される。

「いいわよ。だけど、随分
出来上がっているわよね。」

母と、三人で作業すれば、
しばらくで完成しそうな状況だ。

「母さんと毎晩二人で
作ったんだ。
お前たちにも、作っただろ?」

「うん。きっと喜ぶわね。
彼、こういう経験がないみたい
だから。」

手を動かしながら、
口を開けば。

「ああ。この話が決まって、
ジェスと電話で話しただろう?
そのとき、彼は、自分の名前を
言って直ぐ、話しておきたい
ことがあるって
切り出したんだ。」


 





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