crystal love
驚いたのは、私たち三人だ。

「移住って、エレナにっ?!」

「マジで?!」

「何もそこまで・・・。」

祖国対してには、当然、
一定の思いがある。

だけど、可能性を求めて
敢えて脱出した私達にすれば
ジェイドの判断は、多少なり
理解しがたくてーーーー

それっきり
言葉に詰まってしまった。

授業開始のチャイムが
微妙な空気を割く。

「ヤバい!」

「行かなきゃ!」

テキストをひっつかみ、
慌てて三人が、教員室を
飛び出す。


「ディオナ!!」


ジェイドが、呼び止めたけど

「ゴメン!授業なの!
またね!」

軽く振り返り謝って
教室に向かい走りだした。


ーーーバンッ

思いの外、乱暴に開いた扉

「なーんだ。先生、遅刻だと
思ったのに。」

OL達が苦笑まじりに
指を鳴らした。

「へへ・・・ごめんね。
さあ、始めましょ。」

何だか、バツが悪くて
苦笑いした。


 
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