crystal love
レセプションに部屋番号を告げ
面会に来たことと名前を述べる。
しばらく待たされているのは
ジェスに確認の連絡を
とってくれているからで。
「どうぞ。お越しくださいとの
おことづけです。」
愛想のいい女性が、
ニッコリ笑み言った。
お礼を言って、エレベータに
乗り込めば、あっと言う間に
彼の滞在するフロアーについた。
コンコンコンーーーーー
扉に軽いノック音を立てる。
・・・・帰るわよ・・・・
三十秒程待てども、
部屋の中からは気配がせずで。
・・・・まさか、部屋、
間違えた?・・・・
そんな事を考えながらも、
ホテルに確認をとったのだし
そんな事はないはずと、再度
ノックをしようと手を伸ばせば
ドアの奥で、ドンッという
鈍い音がして、ドアが開いた。
「…よう。」
ちょっとむせつつ、彼はいって
部屋に入る様顎で指示をする。
入るとすかさず施錠をした。
「鈍い音がしたんだけど
大丈夫?」
訝しげに、彼を見上げれば
数度、首を肯定するように
振る。
「目眩がして、
壁にぶつかっただけ。
大した事ねぇよ。」
そんな軽口を叩きながら
彼は、額に
怪しげな汗をかきながら
ベッドにつっぷした。