crystal love
 
ホテルにお願いした氷枕と
氷をボーイが届けてくれる。

サービスで運んでくれた
フルーツの盛り合わせを受取、
お礼を言って、チップを渡し
扉をしめた。

額に汗をにじませ眠る
彼の頭をかかえて借りた枕を
差し込んでやる。

「寒い・・・」

熱があがったのだろう。
隣のベッドの毛布を足して
なるだけ保温をする。

「これで少し温まるわよ。」

そういえば、赤い目をして

「せっかくベッドルームに
二人きりなのに・・・・
他の温め方してくれよ。」

そう、むくれる。

たまに、こう、可愛い表情を
ジェイドはするのだけど。

「熱だしながら、
バカいってんじゃないわよ。
水のむ?」

苦笑しながら
グラスを渡してやる。

喉に水を流し込み、
グラスを返し、
彼は、瞳をふっと逸らし
もう、帰るのか?と呟く様に
問う。

「いるわよ。落ち着くまでね。」

そう応えれば

「・・・だったら、
このままでいいかな。」

彼は、そういって

再び、眠りに落ちた。



 
< 134 / 170 >

この作品をシェア

pagetop