crystal love
 
「先に、母さんに電話してから
話しましょう。
心配してたのよ。
昨晩電話がかかってきたの。」

「母さんが?」

そういって瞳を見開く。

心配・・・された事・・・
ないんだろうか?

「電話、借りてもいい?」

父母の声を聞けば、
信じられるだろうか?

自分が一人じゃないって。
ちゃんと、心配してくれる人が
いるんだって。


「俺も、話す。」


彼は、そういって。


その後で、聞きたい事がある。
彼は、そう告げた。




ーーーーまずいーーーーー


そんな思いが過ぎる。


聞かれたくない事を聞かれる。


頭の片隅が、防御策を
練りだした。


少し食事をさせて、
横たわらせる。
少し気分が良くなったのか、
冴えた顔色が伺えた。


 
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