crystal love
「大丈夫だ。俺の身体は、
そんなヤワに、出来てねぇ。

汗かきすぎてキモチ悪ィ。
それより…」

「!!」

突然、顎に加わった痛みに
涙が滲みそうになる。

ジェイドが、
ヒトの悪い笑みを浮かべ、
その長身を屈め、
私と目線を合わせた。


「おい。
勝手に帰んじゃねーぞ?

わかってるよな?」


唇に息がかかる様な距離で
奴は、いいたい事だけ言って、
不敵な笑みを残して
バスルームに消えて行った。


・・・つまんないことにだけ 
・・・でも、ないか・・・
心にさとい男だ。


用事ができたと行って
帰ろうか・・・

借りた備品を返すため
フロントに連絡をする。

返すと同時に部屋を出ようと
目論むも、中々取りに
来てくれない。

ソワソワしている内に
ジェイドがシャワーから
出てきて、再び目の前の
ベッドに転がった。


おもむろに伸ばされた彼の手の
たどり着く先を見つめる。


「!!!」


左手に指を絡められ
息をのむ。


 
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