crystal love
何すんのよ?!コイツ
はずされたブレスレットが
音を立ててサイドテーブルに
横たわった。
「俺は、気にならない。
こんなモノは。」
「私は気になるの!」
「じゃあ、出掛ける時だけ
身につければいい。」
「!!」
次の言葉を紡ぎかけた瞬間
扉をノックする音が響いた。
遅いっつーの
立ち上がろうとした肩を
痛い程の力で腰掛けていた
椅子に押し止め、
ジェイドが立ち上がった。
「俺がいく。そこに居ろ。
ドサクサに紛れて
帰ろうって寸法は、読めてる。」
そういって・・・。
愛想のいい声色や、
談笑する声なんかが
小さく響いた後、
扉が閉まる音が聞こえた。
・・・もう、逃げられない。
漠然と、そんな事を考え、
背中に冷たい汗が流れた。