crystal love
「ダメだよ。ディオナ。
アイツには、
やらない。」
そう、言ってーーーーー
「アイツはナイーブな男だから
絶対、おまえを腫れ物の様に
扱う。
お前の手首の事だって、
気にするに決まってる。
優しい人だけどね。」
当たっているとも、
勝手とも取れる言葉を並べて
「・・・大体、俺の方が、
先に目を付けたんだし。」
唇が触れ合う様な距離で
そう締めくくった。
「じゃあ、誰だったら
良いわけ?」
彼の前髪の毛先が頬をくすぐり
ガラスの様に透き通った瞳が
目の前一杯に迫る、この距離を
何とかしようだなんて
吐き出した言葉が、
炎に油を注ぐ結果となった。
「誰にも、くれてやる訳
ねーだろ
ディオナ・・・
相当、俺をナメてるな。
惚れたオンナは、誰にも
やらねーっ!!」
叫ぶ訳でないけど、
怒りを含んだ語気は
迫力と、彼の本気を
伝えてきて。
「おまえ、覚えてんのか?
俺、言ったよな?
おまえの事はファミリーとして
・・・だけじゃなくて、
オトコとしても想ってるって・・・
ゆったよな・・・?」